職場学習論を読了したので

「学習すれば、成長する」
この言葉に、どれほどの納得感がありますか?

私の場合、子供の頃は割と納得していたような気がしますが、社会人になると一気に納得感がなくなりました。
それは自分がイメージする"学習"という言葉が、本を読むなどの"知識の増加"だったからなんですね。
大人になって、仕事をやればやるほど、知識では太刀打ち不可能な気持ちになってきます。もっと実践経験とか、内省力とか、そういうものが成長に寄与している気がするんですね。
前職の社長は、よく「成長は経験から生まれる」みたいな事を言ってましたが、自分の考えもそれに近くなっていきました。

そんな事を思いながら働いていたのですが、1年半ほど前に会社を辞めることになりまして。
その時の一番の疑問が、「環境が変わっても、今と同様の成果を出せるか?」ということでした。
鳴り物入りで入ってくるが、成果が出ない人っていますからね。環境が変わるということは、今の職場特有の知識や、仲間との信頼関係、実績は全てリセット。そこから、今のような評価を積み上げていけるだろうか。
ぐるぐる考えていると、「自分が今までどうやって積み上げてきたのか」を理解して、次の環境に合わせて適用していくしかないという結論に至りました。


が。残念な事に、今までどうやって積み上げてきたのか、全く把握していなかったのです…。


「忙殺されている間に、何となく色々な事ができるようになった」という感じ。成長を自分でハンドリングする術が何なのかは全く知らなかったのです。

そんな折に読んだのが、『職場学習の探究 企業人の成長を考える実証研究』という本。

職場学習の探究 企業人の成長を考える実証研究

職場学習の探究 企業人の成長を考える実証研究

  • 作者: 中原淳,木村充,重田勝介,舘野泰一,伊勢坊綾,脇本健弘,吉村春美,関根雅泰,福山佑樹,伊澤莉瑛,島田徳子
  • 出版社/メーカー: 生産性出版
  • 発売日: 2012/03/20
  • メディア: 単行本
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予め言っておくと、この本は教育や経営の学問的な論文集であり、特に「ビジネスマンにオススメ!」的な事が言いたいわけではないです。自分も買った時は興味のある論文のみ読んで、他は読んでませんでした。

さて、話を戻すと、驚きました。

社会人における、成長とは何か。成長に必要なプロセスとは何か。成長に必要なチームとは何か。知識と実践をどう接合させるのか。学習とは、経験とは。

そういったものって、一応ではあるけれど、地図が描けるんだ。オレ流でないものを作れるんだ。そんな驚きです。

自分としては、チームや個人の成長について、特に論拠ない謎理論が使用され、巷にオレ流本が溢れかえっている現状を見るにつけ、正直距離を置いていたいと思ってました。
ただ、今までだと、「それはケースバイケースだ」としか言いようがない箇所が多すぎて、自分の経験を上手く整理できていなかったのも事実。
それをサイエンスすると。統計から少しずつ一般化しようとする試みがあったり、既に十数年前から定説になっている「学習プロセス」があったり。
もちろん全てに納得出来るわけでもないのですが、自分が良いと何となく思っていたプロセスだったり、チームのあり方をしっかり具象化する手助けになったのはすごく大きかったです。

そこから1年半が経過し、この分野(個人や組織における学習)を色々読み漁り、実践に移してきました。
で、最近改めて上の本を読み、読了できたので、このブログを記念に書いてます。

最近は、得た知識をITエンジニア向けにフィットまたは再構成する事を考えています。
例えば、githubなどによるレビュー文化が与える影響は、ある程度(仮説ですが)論理的に説明できるので、そういうのをいつかブログでやってもいいかもしれないですね。