繰り返す石ころ

世の中ってたのしい

みんなで話して、何を得たいのか?:読了『ホールシステム・アプローチ』

『対話型組織開発』、『入門 組織開発』ときまして、具体的に対話型組織開発の手法の詳細に…行く前に、手法をざっと眺められる本の紹介をしたいと思います。
『ホールシステム・アプローチ』です。

ホールシステム・アプローチ―1000人以上でもとことん話し合える方法

ホールシステム・アプローチ―1000人以上でもとことん話し合える方法


この本では、ワールド・カフェやアプリシエイティブ・インクワイアリーなど、多数の人での対話手法が紹介されています。
今風に言うと対話型組織開発の実践となる手法が紹介された本です。

本のタイトルもになっている「ホールシステム」ですが、この文脈で言う「システム」とは人の集まりを指しています。
例えば、都市の住人、仕事の関係者(お客様なども含みます)、会社、部署、チームなどがシステムです*1
「ホール」はwhole(全体)のことなので、ホールシステムというのは、「(何らかのテーマに)関連する人々の全体」という意味です。

この本は、そんなホールシステムで話し合うための複数の手法(これらを総称して、ホールシステム・アプローチと本書では名付けています)について説明してくれる本です。
ホールシステムで話し合うとなれば参加者は多くなりますので、数十から千単位の人数規模に耐えられる手法が紹介されています。

個人的には、ホールシステム・アプローチの意義の1つは、会議の内容や結果の質ではなくて、特定のテーマに対して参加者のコミットメント、つまり個人の自主性を引き出すことだと考えています*2
自主性を引き出し、多様な意見の相互理解、組織の自己改革力、環境への適応性、効果的なコミュニケーションなどを生み出すための手法だと思っています。
一部の人が組織に対するコントロールを強くすればするほど、組織は硬直し、個々の自主性はなくなっていきます。逆に、自主性を引き出そうとすればするほど、コントロールが効かなくなっていきます。
ホールシステム・アプローチは自主性を引き出そうとするため、必然的にコントローラブルではなくなります。結論ありきの会議や演説ではありません。
そうした性質を理解した上で、目的を持って使用する事が求められます。

この本でも、そうしたホールシステム・アプローチの性質について配慮された文章になっています。
性質を理解しつつ、ざっと様々なアプローチを理解したい、比較検討したい、というニーズには非常にマッチした本だと思います。

ワールドカフェ、AI、OST、フューチャーサーチといった代表的な手法について書かれており、各章がざっと理解するにはちょうど良い量で分かりやすく書かれています。
嬉しいのは、単なるやり方を紹介するだけでなく、各手法の根底に流れる価値観や原則について触れているところですね。各手法はそれそれ重要視する考え方があり、それが手順として表層に出てきているので、是非考え方の部分は飛ばさずに読んで頂きたいところです。

事例については、会社組織の変革を考えている人には多少印象が薄いかもしれません。対話型組織開発の事例は非常にヒリヒリする血みどろの戦い感のあるものも多かったですが(笑)、都市計画の話であったり、企業事例もライトな事例な印象でした。
出版が2011年なので、今であれば熱い企業事例も増えていそうな気がします。

さて、この本で複数の手法を眺めたら、次は手法を絞って詳細に学んで行きたいところですね。
次回は『フューチャーサーチ』 をご紹介したいと思います。

*1:正確に言うと人間の個体など単体のものもシステムなのですが、話がややこしくなるので、気になる人は『入門 組織開発』などを読んでもらえればと思います。

*2:会議での成果物が実際にどれだけの成果を生み出すのかについてはまた別議論という事で。

読了『入門 組織開発』

『入門 組織開発』を読んだので、その感想でも。
「組織開発ってどんなものですか?」と聞かれた時に、さっと渡せる本がないかなーと思って手にとってみました。
前回書いた対話型組織開発の訳者をした中村先生による、組織開発の入門書です。

入門 組織開発 活き活きと働ける職場をつくる (光文社新書)

入門 組織開発 活き活きと働ける職場をつくる (光文社新書)


この本では、組織開発についてざっと理解することができます。
小難しそうですが、専門用語がいきなり出てきて意味分からなくなるなんてことはなく、分量的にも内容的にも手に取りやすいものになっています。
組織開発の国内外の歴史から、在り方や考え方、手法まで広くカバーしていますが、あまり実践に振り切らずに広く俯瞰するための本です。

著者の意図としては、新書という手軽に読める本の形態で、広く組織開発への関心を集めたいということなのでしょう。実践まで深入りすると100%新書で出せるボリュームには収まらないので、この割り切りは英断です。
本書で繰り返し述べられているように、組織開発は手法よりも"在り方"なので、変に入門で手法から理解するより良いのではないでしょうか。
本書からは、在り方ではなく組織開発の手法ばかりが先行していることへの著者の憤りが相当に感じられます。この本が2015年に出版されて数年が経過していますが、現在も大きくは変わっていないのではないでしょうか。
しかし、こうした組織開発の本が多くなることで、私含め、少しずつ後進の意識は変わっていくものだと信じています。

さて、 組織開発は非常に広範囲な手法や考え方を内包しています。そのため、「組織開発とは何か」の定義は様々なものを見かけます(私が人に説明する時の素人すぎる語りも…)。
本書によれば、組織開発の定義の共通項として多いのは「行動科学の理論や手法を用いること」「組織の効果性や健全性を高めていくこと」「組織のプロセスに対して計画的な働きかけをする取り組みであること」の3点のようです。

紹介されている定義を1つ紹介すると、「組織開発とは、組織の健全さ、効果性、自己革新力を高めるために、組織を理解し、発展させ、変革していく、計画的で協働的な過程である」というウォリックの定義。
健全さは、仕事生活の質、お互いの関係性の質、権力の最適なバランス、ワークモチベーションの高さなど、組織内の人々の「幸せ度」と関連します。
効果性は、組織の目標に到達する力、組織の構成員やチームの潜在力を発揮できること、環境の変化に適応し対処できることを指しています。
自己革新力は、絶えず学び続け、(組織開発の専門家の支援がなくても)組織を自分達で変えられる力です。

社会情勢を考えると、非人間的な経済的合理性に振り切っていた世界から、働き方改革等を通してゆるやかに組織の効果性に目が向けられてきています。また、多様な人と多様な意見の相違を繰り返しながらも、組織の健全さや自己革新力にも注目が集まってきていると感じます。
私としては、組織の中の一人一人が自分達でバランスを見ながら良くしていける組織が増えることで、人々が豊かに幸せに暮らせる、そんな世界が作れたらと思うばかりです。

かなり脱線してしまいました。
本の話に戻ると、この本で概論を学んだ後の実践のために2冊目が必要なのですが、次は何をオススメすべきか悩ましいところです。あまりに手法が広いので、ここでサッと出せる日本語の良書は思いつきません。
組織開発の手法は多岐に渡るので、やはり地道に本書に書いてある気になるキーワードをAmazonで探して読むのが良いのかも…。
本書の著者である中村先生と、人材育成の分野で有名な中原先生が共著で組織開発の本を10月頃に出されるそうで、そちらにも期待したいですね。

ここ最近は、組織関連のニーズと、それに合わせて情報の供給の厚さがどんどん増しているように思います。
学び時として、今は良いタイミングなのかもしれませんね。

読了『対話型組織開発――その理論的系譜と実践』

『対話型組織開発――その理論的系譜と実践』を読んだので、感想でも書こうと思います。

対話型組織開発――その理論的系譜と実践

対話型組織開発――その理論的系譜と実践


率直に言って、めちゃくちゃ面白い本でした。

組織に関連するコンサルタントや研究者などの専門家が直接のターゲットになるとは思いますが、経営者やマネージャーとして働く方も大いに参考になるのではないでしょうか。
組織に対して仕事をしている人なら、きっと楽しく読めると思います。


残念ながら、「対話型組織開発とは何か」を適切に説明するのは、600Pを超えるこの本を読んでも難しく感じます。
対話型組織開発は特定の手法というより、考え方やあり方であって、「こうやれば対話型組織開発だ」と説明できるものではありません。
ただ、それだけだと謎の本になってしまうので、私の持てる表現で可能な限り説明努力をしてみたいと思います*1

まず、組織開発には、診断型組織開発と対話型組織開発の2つがあると筆者らは述べています。
診断型組織開発では、組織において「何か正しいもの」があって、その通りになっているか調べ、正しくなっていなければ修正します。
例えば、残業が少ないことは良いことであり(=正しいこと)、残業が多いことが分かったので(=調査結果)、残業を減らす制度を作る(=正解へ修正)という考え方は、極端ですが診断型組織開発の考え方です。
お医者さんが患者を診断し、処方箋を出すイメージです。

しかし診断型組織開発で問題になるのは、観測される特定の"事象"が、組織で働く一人ひとりの"現実"とは限らないことです。
例えば、残業しまくってる会社から転職して来た人と、全くしない会社から転職してきた人では、残業量の考え方が違ったりします。
残業量が平均+1時間になったとしても、多いと思う人も少ないと思う人もいる。全く同じ事象を見ているのに、人によって解釈が異なると言う現象が起こります。
なぜなら、前職の経験や、先輩が飲み会でする昔話、チャットで巻き起こる経営陣への批判、喫煙室で入ってくる会話など、様々な情報から人間は価値観を醸成するからです。

こうした前提を踏まえて、対話型組織開発は対話を促します。
互いに違う価値観や解釈を持っていることを理解し合い、その上で誰かの価値観を選ぶのではなく、Win-Winな新しい価値観を生み出すことに注力します。そして、それを今後の価値観として使っていきます。
結果として、残業時間が+1時間になるのか、フレックス制度になるのかは、対話の前には誰にも分かりません。対話に勝者も敗者もおらず、ただ単に望ましい未来を作っていくという共同作業があるだけです。

「全能な正解なんてない」から、「お互いが望む未来を生み出して正解としようとする」のが対話型組織開発の考え方です*2


さて、対話型組織開発がふんわり分かった(!?)ところで、本の見所の話に入りましょう。
この本では、対話型組織開発の理論から、コンサルタントが実践する上での考え方まで、かなり幅広いトピックを扱っています。

まずは1章〜3章の理論に関する話がのっけから最高に面白いです。個人的にはとても新鮮な考え方で、考え方が読めば読むほど変わって行きました。
組織開発に縁があまりない人や、社会構成主義などに触れてきていない人には、読み下すのが大変な鬼門の章でもあるかと思います。私も大変でした…。
ただ、知らなければ知らないほど、今までのモノの見方が大きく変わる章なので、ぜひじっくり楽しんで読んでほしいです。

そして最高にシビれるのが、7章の"関わりの複雑反応系プロセス"。
「今の組織や日常の行動の理解を深める」というこの章のテーマ、一見すると地味すぎます(笑)
最初の方で「リーダーは過去も現在も大して分かってない、未来なんて分かってるわけない」的な古典的っぽく見えるdisりがあったりして、正直「変な人出てきたな〜」と思ってました。しかし最後まで読むと、新鮮な気持ちで「普通の人は過去も現在も理解してるわけがない」と思ってしまうほど、自分の見方が変わっていきます。
最初は当たり前の事を言ってるとしか思わなかったのですが、後半に行くに従って何を言わんとしているかが理解できてきてドキドキ。最後の腹落ち感たるや、ミステリー小説を読んでいるかのようです。
再帰的に(メタ的に)考えることによって、自分達の身振りや日常の行動が何を表しているのかより理解すること、そしてそれが引き起こす体験について、など。非常に示唆に富みます。
メタ的に認知する力や質問が何を引き起こしていくかに対する洞察が深まる、クレイジーな章です。

後半の9章からは、あなたがコンサルタント(に近い職種)であれば、読むべきです。
10章のレディネスに関する話、15章のフォローアップに関する話は、コンサルタントが考えがちな「あの顧客はやる気がない」とか「あの人達は抵抗勢力だ」と言った思考から脱却させてくれます。
9章からはほとんどの章で、コンサルタントの日々の実践において頭が痛くなる展開について触れていて、単純にコンサルタントの勉強として役に立つと思います。


という感じで、オススメ度MAXなのですが…1つだけ難点を挙げるとすれば、分厚く、かつ前半が難しいところですね。
誤解のないように言っておきますが、かなり平易に書いてくれているので、前提知識がなくても読めます。日本語訳も相当頑張られていると感じます。
ただ、初学者がサラーっと読める部類の本ではありません。知らない単語は雰囲気で読んでもいけますが、内容を理解するのは大変です。
私は知りたい単語は調べてたりもしたので、最終的に読了するまでに15時間以上かかったと思います。600P以上あるんで…。


本が分厚かったので感想も長くなってしまったのですが、とにかく最高に面白かったので、ぜひ手に取って頂きたい一冊です。
知識欲が出てきたので、しばらく色々な本読んで行きたいと思います。

*1:読んだ方が早い説あります

*2:ただし、これは対話型組織開発側から見た世界であって、診断型組織開発から見た世界は別の世界が見えているかもしれません

2017年総括&2018年目標

私的な恒例行事となりつつある年末振り返り。今年もだだーっと書いて行こうと思います。

まず、これだけは言っておきたい。
正直カオスすぎる1年だった…。
日常は地続きに進行していくので気づきませんでしたが、振り返るとカオスすぎました。

まず、現職で何をやっているかと言えば、何故かCOO的な事業全体を見るビジネス職をやってます。
2017年は普通にプログラマーしてたし、今でもCTOではあるんですが、気づけばやる事増えてました。
日々、営業の話だったり、契約の話、料金体系の話、マーケの話、プロダクトの話、あらゆる話を様々なセクションの人達と話しています。
開発はレビューだけの参加になっちゃってます…。

本当に色々あった1年でした。
年始に「よーし良いスタートだ」ってなって、折り返しぐらいで「もーーーめちゃくちゃや!!!」って思って、年末は「むしろ良くなってるじゃん」という嘘のような着地を迎えました。
これがベンチャーのジェットコースターか。

ただ、物事というのは唐突に訪れるわけではなく、ある程度の予兆があるものです。
なので、実際は
ヤバそうな予兆がある -> 未然に防げないとトラブルが起きる -> 問題を解決する
という事を繰り返してるだけなので、当人から見るとほぼ地続きでした。
日常では、とにかく目の前と奥の方にある課題を見つつ、必要だと思ったことを粛々とやってた感じです。

ただ、振り返るとその積み重ねで環境が変わりまくっており、スゴい事になってんな、といま振り返りながら思ってます。

そんな荒波の中で唯一の救いは、どんな時でも一生懸命に一緒に頑張ってくれる仲間がいた事でした。
社長もそうだし、社員の皆、常駐だったりスポットで入ってくれる外部の方々。感謝しかないです。
仲間がいるから、「このトラブルがあったことで、新たな道が開けてくるんだ」とポジティブに思えた気がします。

ちなみに、開発職がビジネス職にジョブチェンジした件についてですが、どの職業をやっていても使う頭はそんなに変わらなかったので、そこは見た目ほどヤバくはなかったです。
どの職業でも何かしら目的があり、目的の達成を阻害する課題があるので、単にそれを解決していく。これが基本であり奥義なんだなと思います。
まぁ、細かい戦闘の部分については、最初はマジで何も分かりませんでしたが…。
ただ、それらも真面目に考えたら分かるようになりますね。
知識を入れた上で真面目に考えれば「全然わかんねー」ということはなく、むしろ分かるまでやる、分かんないまま放置しないって大事だなとか新卒の子のような気持ちになりました。
何だかんだ言いつつ、今まで仕事に真面目に向き合ってきて、自分の能力をストレッチしてきたからこそ、不足分があっても埋められるなと思いました。


こんな感じでめっちゃ抽象的になっちゃうんですが、細かいことを語り出すとキリがないので2017年の振り返りはこれまで。
2018年の話について入っていきたいと思います。


自分がどういう職業になるのかは、会社の状況に依存するので皆目見当つかない、というのが今年の所感です。
2018年についても、その時必要な課題に対応する職業をやってるとしか言いようがない。
なので、職業に紐づいた抱負やテーマはないんですが、強いて言うなら課題の発見をより極める、そしてそのナレッジを周りに展開していく事でしょうか。
経営陣としてやる限り、課題の発見がほぼ仕事と言っても過言ではないと思うので、当たり前の話ではありますが…。

個人的なところで言うと、2018年のテーマは"健康"です。
20代のうちに健康をコントロールできるようになっておきたい。

今年で27歳になりましたが、少しずつ身体の衰えを感じるようになってきました。特に内臓系が心配になってきました。
今に始まった事ではないですが、食べ過ぎると胃は当然モタれるし、お腹が痛いのも昔と同じ頻度だとは思うのですが気になるようになってきました。
おそらく、実際にはそれほど身体が衰えてきているわけではないと思うのですが、調子が悪いのが以前より気になるのです。
1つ1つ疲れるというか。不思議です。

なので、まずは自宅での飲酒をやめようかなと思ってます。
20代前半は週7で晩酌していたのですが、既にここ1〜2年で週3まで減らしてます。
実は、妻が甘いものバリバリに食べてて辞められないと言っていたので、「こんな風に辞められるよ」と見せる気持ちで平日禁酒をやり始めたのが最初で。妻にもこれは言ったことはことはなかったかもですが。
(この効果があったのか分かりませんが、私が始めた後に妻も平日の糖類を控えるようになりました。衝動的に甘いものを食べる回数は圧倒的に減りました)
そんなことをやってる内に、何故か一回の飲酒量も減ってきていて、というか飲んでるとお酒に飽きてくるようになりました。ツマミ作らなくなったのも大きく関与してそう。
飲酒のモチベーションも良い感じで下がってきてるので、これを機に外食以外では飲むのを控えようと思います。
月に2回ぐらいしか外食してないので、これで一気に飲酒量落ちそうです。

また、筋トレなどの運動も取り入れたいです。
2016年は割と筋トレしてたんですが、2017年は全くしなくなってしまって、ヒョロヒョロに戻ってしまいました。
本当にヒョロヒョロすぎなので、実は「筋トレやめたら筋肉が脂肪になってちょっとぽっちゃりになるのでは…?」とか期待していたのですが、全くそんな事はなくて単なる骨と皮に戻りました。
2018年はしっかりした身体に戻して健康体になりたいと思います。

心の健康という意味では、休息を覚えたいです。
もうね、昔からめちゃ休息が下手。
昔の話なんですが、平日仕事が終わらないから毎週土日に持って帰ってた時期があって。
でも、平日に圧倒的寝不足なので、土日起きれないんです。ずっと寝てるんだけど、当然ずっと意識を失ってるわけでもなく、ふと起きて「あー、やらなきゃ」とか思っては寝るわけなんです。で、日曜の夜になって朝4時まで作業したりして。
こんなのちょっと考えたら自分の心身の健康を害してるって分かるじゃないですか。でも、それが分からないぐらいバカだったんです…。
今は仕事を持ち帰ってはないんですけど、ずーっと仕事のことを考えちゃうので、もしかして不健康なんでは? 思考の効率もあまり良くないのでは? と思ってます。
ちょうど2017年は後半にマインドフルネス習ってきたので、まずこれを習慣化していきたいです。
また、ケースごとのより効果的な休息方法(運動するのか寝るのかとか)や、自分が最高に満足できる休息方法とは何かということを知りたいなと思ってます。

そんな感じで、全く構成とか考えずに書いちゃったのでグッチャグチャなんですが以上です!
2017年も充実してましたので、2018年もそうであるといいなー。
頑張ります。

自分のタスク管理の世代を振り返る

過去私がどんなタスク管理をしていたとか皆様には知ったことではないと思いますが、本日遅ばせながらタスク管理アプリを導入しましたので、そこまでの軌跡をレポートしたいと思います。

第一世代

どのタイミングで最初のタスク管理が導入されたのか見てみましたが、どうやら新卒時代にポモドーロテクニックを始めた時のようです。
Evernoteにこのように記載されていました。

■データ抽出 ○○|○○○
■説明資料の作成 ○|○
□実装前と上司とすり合わせる ○○○|

正直ビビりましたが、これはほぼ昨日まで私がやっていたタスク管理と同じです。
もう7年以上経過してるんですケド…思ったより進化ないんですケド…。

まず、「■」は完了済みタスク、「□」は未完了タスクです。
私は「s」と打つと「□」に、「ss」と打つと「■」に変換できるように辞書に追加しています。

「○○|○○○」ですが、これはポモドーロの時間計測についてのメモだと思います。
おそらくですが「○」1個で30分を表していて、「|」より左が予測、右が実測だと思います。
つまり、「○○|○○○」は「1時間かかると思ったが、実際には1時間半かかった」という意味だと思います。

ポモドーロテクニックを用いたタスク管理は、集中力の確保や時間の見積もり精度向上のために導入された気がします。
1年程度でやらなくなったので、最終的には以下のようになりました。

■データ抽出
■説明資料の作成
□実装前と上司とすり合わせる

第二世代

しばらくすると、やることが増えてきて、タスク管理しているのに混乱するようになりました。
そこで、次はタスクを次のように分割することにしました。

<今日やる>
□データ抽出

<今週やる>
□説明資料の作成

<いつかやる>
□実装前と上司とすり合わせる

この形式にした理由としては、本当に今日向き合うべきタスクについて集中したかったからです。

急ぎでないタスクはいつかやるリストに入れ、"ヤバイ"タスクを今週中のリストに突っ込んでいました。
当時、終わらなかった"ヤバイ"タスクを土日に家でやっていたので、とりあえず今週中に入れていれば何とかなっていました。

この時代は色々とバカだったので死ぬほど忙しく、しかもタスクがどんどん降ってくる状況でした。
来週やればいいやと思ってたタスクの緊急度が突然上がったり、もう木曜なのに大きな今週中タスクが発生したり…。
先を見通して細かくスケジューリングしても全く意味がないので、「今日か、今週中か、それ以外か」の3つしか必要ありませんでした。

なお、タスクリストは出社した後に「今日か、今週中か、それ以外か」の3つを見直すようにしていて、毎日タスクリストを作っていました。
(この儀式を毎日しないと、昨日言われた急ぎの仕事が今日完遂出来ない事態になります)

第三世代

そろそろEvernoteを捨てても良いのではとなりそうですが、この第三世代によって逆にEvernoteでの管理が維持されます。

前述の通り、私は第二世代の頃アホみたいに忙しかったのですが、その経験を経た結果、「タスク管理が上手にできるようになっても、物理的にこなせるタスクの総量は限界がある」という至極当然のことを学びました。

「今日やるリスト」を長時間労働で精一杯こなしても逆に長大になっていくタスクリストを前にして、これは上手く管理するとか、そういうことじゃないなと。
むしろ、これを自分が一人でやっていることがダメなんだと理解しました。

そこで、タスクを積極的に(時間が余裕のある)他人に振り、自分のタスクリストから消すことを覚えました。
ここで任せるとかマネージメントとかそういうことを学んだのですが、そこはタスク管理とは関係がないので置いときます。

また、タスク自体を消滅させることも覚えます。
具体的なタスクとして自分のところに降ってくる前に上流の部分に関与して、「タスクが少ないが価値は同等なもの」が作れないか、ということに頭を使うようになりました。
単に「それ必要?」という突き返しもしますが、否定だけだとあまり建設的ではないので、なるべくタスクが少なく価値が高く…と考えるようになりました。

このようにタスクを自分で処理しないことを覚えた結果、Evernoteで管理できない程度のタスクは自分のキャパシティーを超えている(のでどうにかしないといけない)と考えるようになりました。

現在(第四世代)

最近、次のような課題感が生まれてきました。

  • 複数の部署を見ているので、部署ごとに自分のタスクリストを分けて見たい
  • 期限設定をしたいタスクが増えたが、カレンダーに入れるとタスクリストと分離してしまう
  • タスクごとにメモしたい(タスクリストにそのままメモすると一覧性が下がる)

てことで、そろそろタスク管理アプリに手を出すか…と思って、Things3を導入しました。
https://culturedcode.com/things/
Evernoteは手軽だし、自分のやり方でやれるし、断捨離の心を持つ上もで良かったのですが、タスクが色んな領域に散ってくるとなかなか難しいです。

振り返ってみると…

つらつら書いて見たものの、タスク管理の方法自体ってそんなに仕事上でインパクトなかったなと思いましたw
そのタスクをどうやって消滅させるべきかとか、どうやったらそれを他人に任せられるか、周りから見えるようにするか、とかそういう部分で自分の仕事のクオリティが一気に変わったな、と思うのでした。

2016年総括&2017年目標

さて、もう年も明けてますが、2016年の総括でもしようかと思います。
年末は実家に帰ったりしてまして時間もなかったので、しょうがなかった! うん。

まずは、経歴的なものの変化について。
2016年は6月末まで前職に業務委託で出戻りしていたのですが、7月1日で契約を更新しなかったので再度前職を離れました。
前職に出戻った経緯は詳しくは前回の総括を参照という感じなのですが、お金がマジでない時代に良い感じの報酬で拾って頂いていて、本当にありがたかったなと思います。

そして、プレッシャーも社員とはやはり違うので、割とのびのびと仕事させてもらった事がとても大きかったです。いや、勿論きっちり仕事していたんですが、背負ってるものが違うじゃないですか。
自分で作っていたアプリが上手くいかず、あらゆる面で精神がやられていたので、この期間で心の弾力を取り戻せたことは大きかったです。

7月からは、そんな前職を離れ、現職のスタートアップに参加。
その時には社員はおらず、社長だけの会社でした。そこに私がCTO的な役割で正式に参加しました(役員としての参加です)。
去年も少し関わっていたので前回の総括にも出ている会社なのですが、正直に言えば「タイミングが良かったから」で明確な参加理由はありません。

  • 社長が良いヤツだった(正確には良いヤツになってた)
  • 心の弾力取り戻してきたからまたチャレンジしようかな
  • 単なるエンジニアも飽きたし、組織としてのチャレンジやってみたいな
  • ビジネスとしても面白そうだ
  • ぶっちゃけ職に困るという感じでもないし、潰れることによるリスクはないだろう

など、ふわふわ考えた結果として参加しました。
事業的なところも色々やりたい事というか野望はありますが、その辺は自分の手で作っていくものですし、最悪求められたら変更する役割でもあるので、参加理由としては上記のような感じでした。

仕事ですが、最初はインフラなどをやっていたものの、今はインフラは勿論Railsを書いたりもしてますが…一言で言えばCTOということになると思います。
ただ、伝わりやすいのでCTOというロールを名乗る事が多いですが、個人的にはそこまでCTOでありたい!!!という気持ちはありません。
CTOは複数のロールがあります。

  • 技術面で引っ張る人(テックリード
  • 開発部のマネージャ
  • 技術に詳しい会社の方向性を決める人(経営者)

プラスして、私はPM(プロダクトマネージャ)の側面も持っています。いつどのような機能を追加するのか、それによりお客様にどのような価値を提供するのか、というハンドリングです(ハンドリングしているのであって、アイディアマンではないです)。
個人的な優先度としては、経営者 > PM > マネージャ > テックリードで、会社を上向かせるために人とプロダクトに向き合うのが自分の仕事だと思っています。
世間的なCTOのイメージで言えば、やはりテックリードとしてのロールが華だと思いますが…正直に言えばテックリードとしての興味はほぼありません。別のテックリードが乗船するまで、それっぽい船にし続けていくことが私の役目だと思っています。
そんなこんなでCTOとして名乗りづらいものの、今日も元気に働いています(謎のまとめ)。


そして、最後に、2016年始めたことと言えば、体づくりです。
私はもともとヒョロッヒョロでございまして、身長170cm程度なんですが体重が46kgまで落ちて健康リスクを感じた過去もあります。
2016年は結婚もしたので夫婦で夏に海の綺麗な場所に行ったのですが、そこであんまりにヒョロヒョロだと恥ずかしすぎる! という謎の一念発起により、7月から筋トレを始めました。
おかげで夏は恥ずかしくなく過ごせました。そして、今年の健康診断では腹囲が6cm程度増えていて、計測していたおねーさんが計測間違いだと思って2回やり直してました。あれは嬉しかった。
そこまでムキムキにする気はありませんが、続ける事が大事だと思っているので、2017年も続けていこうかと思っています。
ちなみに筋トレは毎日オフィスでやっています。傍迷惑ですね。皆さんに健康意識を持って頂くためにも、これからも頑張ろうと思います(建前)。



さて、良い感じに総括もできましたので、2017年の目標でも。
去年の総括を見ると、2016年の目標ではまたチャレンジできればと書いてますね。全く意識してませんでしたが、わりと出来ていて驚きです。
今年もそんなゆるっとした目標で、年末気づいたら達成できたらいいなーと思います。

今年は2つ!

1つは仕事です。
顧客に良し、売上良し、そして社員に良しのプロダクト作りについて、模索したいと思っています(あえて完成するとは言わない)。
プロダクト作りでは、既に様々な手法が開発されています。しかし、真の意味で社員がプロダクトに愛を持って開発を進められる手法があるかと言うと、私は知りません。
あまりにふわっとしていますが、愛と責任の両方を持ち、無関心でも言いっ放しでもない、プロダクトの方向決めと船こぎを共有できる世界観を目指していきたいと思っています。
ここで話しても謎すぎると思いますが、とにかく愛を持てるプロダクト作りをやっていきたいなと思っています。

2つ目は趣味。
プログラミングを趣味と言えなくなって幾星霜…という気持ちですが、2016年の後半はペルソナ5というゲームにハマって約三ヶ月、120時間を過ごしました。
クリアして思う事は、意外と趣味の時間取れるなとか、継続してやれるなと言う事ですね。
コツコツ時間をかけて趣味をやりたくなったので、今年は趣味プロダクトの開発とか、音楽作りとか、動画作りとか、何かしらのクリエイティブな趣味を持ちたいなと思っています。

以上、雑ですが2016年の総括と2017年の目標でした。
雑だから見直さずにポストしちゃいまーす。それでは。

2015年

今年を振り返って精算したいという気持ちが、さすがに12月31日ともなれば生まれます。
挫折を単なる挫折で終わらせたくなく、なんとか良い経験に昇華させたいと思いつつも、細かくまとめてこなかったので語ることが長すぎ腰が重いです。
さらーーーーーっと上澄みを舐めることで、グダグダながらもとりあえずまとめてしまいます。

Ruriは売れませんでした

言わないといけないことの1つとして、RuriというiPad向けプレゼンテーションアプリの顛末があります。

売れませんでした。はい。売れなかったので店じまいしました。

1人を除いてあまり人を巻き込まないようにしていたものの、やっぱり巻き込まれた人はいるわけで、その節は大変ご迷惑をおかけしました。
少しでも書こうという気が起こると、とてつもなく長くなるので、箇条書きで手短にまとめます。

  • キャッシュが尽きて死亡
  • キャッシュが生み出せないと精神的余裕と共に選択肢が減る
  • ピボットすれば余地はあったと思いつつも、延長線上でやったほうが圧倒的にローコストなので意識してもやれなかった
  • 親に金は借りるな(関係は悪化してないが、親に借りているというビジネスライクでない特有の面倒くささがある)
  • 得意なことのほうがコストが小さいので、得意なことのほうがメリットがあるように見える法則は1人で回避するのが難しい

最初から金を生み出す事業をやるのが一般人の道っていうことと、技術的に1人で全てカバーできても1人でやるのはなかなか大変だなーということを学びました。あとピボットは過去の資産があるので(延長線上で戦った方がローコストに見えるため)言うほど簡単じゃねぇってところ。

前職にフリーランスとして戻りました

5月ぐらいに店じまいした結果、割とダメージがデカく、すぐにまた違う事業をやるような気力はありませんでした。全くありませんでした。
ということで、どこかで社員にでもなるかなと思ってWantedlyを彷徨ったりしていたのですが、前職の部長に呼び出されて昼飯を奢ってもらった結果、前職で再度働くことになりました。

  • ずっといる気が無いので社員ではなく期間限定の業務委託として雇ってもらう
  • 正直お金がすごくなくて、出してくれる額が良かったので
  • 週4だという条件も良かった
  • 契約が半年で切れるのも良かった(結局もう半年伸ばしたけど)
  • 知ってる人たちと働くのでやりやすかった

6月から12月までの契約で、この期間は人生の夏休みみたいな感じでした。仕事はちゃんとやってますが、なんというか、前職よりもポジション的に簡単なところにいるので、まぁそりゃこなせるよねって感じなので、はい。粛々とやってました。
来年も12月から6月まで(?)働きます。ちなみに来年は週3にしてもらってます。

別のスタートアップに顔を出し始めました

地味に気力が回復し始めていた11月、自分で再度やろうかなと考えている中、スタートアップやっている知人に声をかけてもらって参加しています(これまたフリーランスで)。久しぶりに会ったら意気投合できて、これもまた縁かなと。
今はインフラと、事業領域の研究のサーベイを担当してます。事業領域の研究っていうのは採用研究や選抜研究なのですが、もともと調べていた人材育や組織の研究に近いところがあるので、その流れで。
来年はお披露目できるといいですね。詳しいことはまた来年ということで。

人の成長にフォーカスした1年

この1年継続していた話をすると、前年に増して経験学習論や組織学系の資料を読み漁ってました。まー人生の夏休みやってたぐらいですからね。
人の成長や才能といったものが分解され、実践可能なところまで理解できたのはとても良かったです。
この辺の知見もLTなどで身近な人に伝える機会があればな〜と思いつつも、周りはエンジニアコミュニティで場違い感半端ではなく、ついぞ発表する場はありませんでした…。新しく参加したスタートアップの方では活かしてますが、来年はやはりLTなどやりたいですね!

来年

チャレンジ -> 失敗 -> 休養の1年だった今年ですが、また来年もチャレンジできればいいなと思います。頑張ります。

グダグダでしたが、まとまったということにしてしまいます。
今年もお世話になりました。また来年もよろしくお願いします。